肝油の成分スクワレンは、日本生まれです。
スクワレンは大正時代に、東京工業試験所の辻本満丸さんによって発見された日本印の栄養素です。
クロコザメの肝油から1906年に発見されました。
このスクワレンは人間の肝臓や皮膚からも生成されますが、その量は一日に800mgと少なく、しかもコレステロールに転化されるために存在量は多くありません。
このスクワレンがクロコザメから発見されたように、サメの肝臓には多く含まれています。
これは浮き袋がないサメが浮力を得るためのエネルギーを得る手段として、肝臓で生成されるこのスクワレンが大きな役割をしていると考えられています。
サメの中でも、もっともスクワレンを多く持っているのがアイザメですが、アイザメの肝油の80%くらいがスクワレンです。
アイザメは深海ザメの一種で、水深1000mを超える深海で生息しています。
このスクワレンのおかげで、光も届かず、高水圧、低酸素という厳しい環境でもアイザメは生きることが出来るわけです。
このスクワレンを発見したのが日本人ということから、肝油ドロップという形でスクワレンは栄養補給のひとつとして、日本人にはなじみのものでした。日本でのサプリメントの走りではないでしょうか?
肝油成分スクワレンの効果・効能
肝油成分であるスクワレンは、皮膚への湿潤性や浸透性が高いという特徴があります。また無臭・無色で、のびもよいため、初めの内は実は化粧品をはじめとする外用としての使われ方をされていました。
その後の研究によって、肝油成分であるスクワレンを体内に摂取した場合の効能が分かるようになり、いろいろな形でスクワレンが内服用に使われるようになりました。
食品化されて今でも手軽なサプリメントとして良く利用されています。
ちなみに肝油は、肝油ドロップとして広く日本中に普及した経緯がありますが、この肝油ドロップはタラを原料にしたものが多かったため、深海鮫の肝油成分のスクワレンの含有量はそこまで多くなかったようです。
肝油成分のスクワレンは酵素を補給する効率が極めて高いと考えられています。
そのため各臓器の機能を高めるのに役立ち、身体全体から健康になることが期待されます。とくにもともと肝油なだけに、肝臓への良い効能がみこまれ、肝細胞のひとつひとつに酸素を供給して細胞を活性かさせることで、肝機能障害の改善に役立つのではないかと期待されています。
また肝油成分のスクワレンは外用としても長くつかわれてきました。肌の保湿にも効果があるだけでなく、皮膚細胞への浸透性の良さによって裂傷や火傷の治療、痛みの緩和に対しても効果があることがしられています。
この応用として肝油成分のスクワレンを内服することで、胃の粘膜の状態の向上を促し、胃炎の改善にも役立つのではないかと言われています。
肝油成分スクワレンの豆知識
肝油成分スクワレンをサプリメントとしてつくられる方法は、天然の肝油を採取した後でまず減圧蒸留処理を行うようになっています。
そうして精製された肝油成分のスクワレンをサプリメントとして摂取しやすいようにカプセル状や錠剤にするのが一般的です。
また外用としての肝油成分スクワレンは、各種栄養・薬用クリームや医薬軟膏、座薬などの医薬品として使われたり、化粧品としては口紅やファンデーションの商品化がされています。
深海鮫などの肝油から精製されたスクワレンは比較すると成分も良く、天然成分100%のものは更に貴重なものだといえます。