肝油成分スクワレンとスクワランは、良いよ♪
肝油は昔から日本でつかわれてきた栄養補助食品です。
その肝油の中でも深海鮫から抽出された肝油には、スクワレンとスクワランという成分が多く含まれています。
このスクワレンとスクワランとは、何でしょうか?
スクワレンは人の皮脂にも含まれている成分です。
皮脂細胞を元気に保つのを助ける役割をしていて、年を取るにつれて減少すると考えられています。
お年寄りの手がシワシワなのはこのスクワレンが少なくなることに要因があるかもしれません。
さて、肝油の原料として使われてきたのは、タラなどの魚が多かったのですが、スクワレンとスクワランは実は深海鮫から抽出された肝油に特に多く存在しています。
スクワレン自体が、この深海鮫の肝油から発見された成分です。
肝油とスクワレンとスクワランの研究
スクワレンは、東京工業試験場で辻本満丸博士が明治39年に発見した成分です。
辻本博士は油脂の研究をしていて、自分の体重の25%を占める肝臓を持っている深海鮫の肝油に注目していました。その肝油を研究分析していたときにこの油脂物質を発見し、スクワレンと名付けたわけです。
辻本博士の発見後、さらに研究が進んだ結果、スクワレンが持つ興味深い特徴が分かってきました。
スクワレンは水を水素と酸素に分解して、そこで出来た酸素を体内の細胞に渡す性質をもっていたのです。
血液中の赤血球、ヘモグロビンと同じような性質があるんですね。
酸素を送られて体内細胞では、その酸素で糖を燃やしてエネルギーを作り出すことが出来るし、スムーズな新陳代謝を起こしたりも出来るようになります。
酸素の極端に少ない深海でも深海鮫が生きることが出来るようになっているわけです。
本当に自然って、良く出来ていますね。
さらにこのスクワレンは人間の体内でも、少しですが生成されているそうです。
とくに10代の成長期においてスクワレンが多く生成されることが研究によって分かっています。
成長期には多くの細胞が良く代謝することが重要なので、スクワレンが必要なことが人体にプログラムされているようで興味深いですね。
さて20代を越えるとこのスクワレンは徐々に加齢とともに減少していきます。
肝油成分スクワレンとスクワランって、似てるよね
このように代謝に対する肝油成分スクワレンの役割は多いといえます。
新陳代謝の促進は、体内細胞の活性化、とくに各臓器の機能が高まることは非常に重要ポイントで、健康維持に大きく貢献します。
そのためスクワレンは体脂肪の分解や抗酸化作用、ホルモンの活性化、免疫力強化、殺菌作用を期待できます。またこのようなスクワレンの作用から、十二指腸潰瘍や胃潰瘍、肝炎、ガン等さまざまな病気の改善、また生活習慣病の予防などにも効果があると言われています。
またこの代謝作用はお肌のケアにも役立ちます。
じっさいにスクワレンが最初に使われたのは化粧品や医薬軟膏などの外用としてでした。
その中で、肌に潤いを与えるスクワランオイルというものがあります。
スクワランとスクワレンというのは言葉が似ていますね。
似ているのは言葉だけではなくて、性質もそっくりです。
実はスクワレンが常温で液体であるのに対して、スクワランは常温では固体となる油脂なんです。
このような油脂のことを硬化油といいます。
常温で固体なので、持ち運びには使い勝手が良いですよね。